あなたはりんご病にかかったことがあるかどうかを憶えていますか?
りんご病の多くは幼少の頃に経験するために、記憶に残っていない方もいるようです。そして、子供の頃に経験するりんご病と、大人になってから経験するりんご病とではまたその辛さも違います。そして、そのなかでも特に妊婦の方がりんご病にかかってしまった場合には注意が必要となりますので妊婦の方は気をつけたいものです。
そこで今回はりんご病の症状について、熱や潜伏期間ほか、予防方法などもまとめていきたいと思います。
りんご病の症状と潜伏期間について
りんご病は正式名称を伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)と言います。名前の通り、伝染する=感染症で、頬に紅斑という赤くなる症状があらわれます。赤い頬が生じることが特徴的なことから一般的に「りんご病」と呼ばれています。りんご病に感染した場合、体を見ると、のこぎり刃状の紅斑がおしりやお腹に出ることもあります。りんご病は飛沫感染により感染しますが、感染力は強いものではありません。しかし、子供は免疫がついていないので大人よりは感染しやすい特徴があります。
りんご病ははじめ風邪のような症状から始まり、やがて紅斑があらわれますが、症状は重篤になることはなく、ほとんどの場合は時間が経過すれば快方へ向かいます。潜伏期間は感染から10日~20日以内で発症してからおよそ1週間から2週間症状が続きます。
その後自身の症状が治まっても、潜伏期間を含めて1か月程度は人に感染させてしまう恐れがあります。潜伏期間中の感染力の方が強いので、自分でも感染していることに気づかないうちに、他人に感染させていることもあるため、注意が必要です。
大人がりんご病に感染した場合
幼少期に多くの子供がりんご病を発症しますが、大人になってからりんご病に感染した場合は一体どうなるのでしょうか。
他の感染症をみると、「子供のうちにかかった方がいい」「大人になってからでは大変だ」と言われるものが多いように、りんご病も大人になってから感染するよりも子供のうちに済ませておいた方が軽く済みます。ですが、そうは言ってもいつかかるかなんて選べないものですよね。
大人がりんご病に感染した場合、子供の頃と比べると関節の痛みや筋肉の痛みが重いことが主症状で、他に体や頬にのこぎり刃状の紅斑が現れます。紅斑があらわれるまでの症状は風邪のようです。子供の場合は迷うことなく小児科を受診すると思いますが、それでは実際に大人がりんご病を発症したら何科を受診すれば良いか、ちょっと判断に迷いますよね。
そこでもし、大人の方がりんご病を発症してしまった場合は迷わず内科を受診してください。
そうは言っても、「これが風邪かりんご病かなんて見分け方が分らない」という方も多いと思います。
りんご病の見分け方のポイントとしては、大人の場合は子供とは違って、頬が赤くなっているのか分らない場合もありますので、体に発生しているギザギザののこぎり刃のような紅斑を見分け方のポイントにして、体にギザギザの紅斑があればりんご病を疑って内科に行きましょう。
妊婦がりんご病にかかってしまった場合
りんご病は飛沫感染が感染ルートですが、稀に母子感染もあります。妊娠中の妊婦が免疫を持っていても胎児に感染する可能性があります。
このような母子感染も怖いのですが、さらに怖いのが妊娠中にりんご病に感染、発症することです。そして、妊娠中にりんご病にかかると、赤ちゃんに血液供給ができなくなる恐れがあり、妊娠中にりんご病にかかった赤ちゃんの約70%が流産や死産をしたというデータもあります。
特に妊娠20週以内の妊娠初期の頃にかかると重篤になることが多いため、妊娠に気づいたら早めに血液検査で抗体の有無を確認して、もしりんご病の抗体がない方は、手洗いの徹底や人ごみに行かないなどの方法で自己防衛することをおすすめします。
プールに入っても平気なのか
子供が風邪の症状の時には、もちろんプールに入らせるような親はいないと思いますが、風邪の症状から頬が赤くなってきた頃に「りんご病だったのか」と気づくと思います。
りんご病で頬が赤くなる症状があらわれれば、もう感染力はほとんどありませんので子供をプールやお風呂に入れても問題はありません。