あなたは「ものもらい」になったことはありますか?
ものもらいは地域によって呼び名が異なり、「めばちこ」「めいぼ」「めばち」「めっぱち」「のんめ」「めこじき」「めもらい」「ばか」「おひめさん」などとさまざまな名称で呼ばれています。そして、ものもらいはかなりうっとうしくて、面倒なものです。
しかし、この「ものもらい」は何が原因でまぶたが膨らんでしまうのでしょうか?どうやって治したらよいのでしょうか?また、誰かにうつしてしまう心配はないのでしょうか?特に子供や幼児などの赤ちゃんがいるお宅では心配です。
そこで今回は、ものもらいの原因や症状、治し方についてまとめていきたいと思います。
ものもらいの症状や感染について
ものもらいになると、まぶたが腫れてまぶたの中に何かが入っているようなゴロゴロとした異物感を感じたり、かゆみや目の充血などが症状としてあらわれます。また、患部を指で押すと痛みを感じることもあります。
さらに、ものもらいの症状が進行すると、目の全体に腫れが広がったり、目ヤニがでたり、まぶたが熱を持つことがあります。放っておいて治る場合もありますが、できるだけ早めに治すには眼科の医師に相談しましょう。そして、このものもらいが感染するかどうかについて、子供を持つ親にとっては知っておきたいところだと思います。
結論からいえば、ものもらいは感染することはありません。子供同士や大人から赤ちゃんにも、ものもらいの感染の心配はありません。なぜなら、ものもらいは細菌によって目が炎症を起こした状態だからです。飽くまで個人的な問題なのです。
しかしながら、はやり目(流行性結膜炎)との違いが判別できない場合は、必ず病院へ行きましょう。はやり目(流行性結膜炎)だとしたら周りに感染させてしまいますので、医師の指示に従って治るまで自宅で安静にしましょう。
ものもらいの種類
ひと言で、ものもらいと言いますが、実は全部同じではなく、ものもらいにも二つの種類があります。
一つ目が麦芽腫で、二つ目が霰粒腫です。
麦粒腫にかかる方が多く、霰粒腫にかかる方が割合としては少ないのですが、ここではどちらの種類についても説明をします。
まず、麦芽腫とは、まぶたに細菌が生じてそれが化膿して炎症を起こしている状態です。まつ毛の根元にある汗腺や脂腺が感染した時を外麦粒腫、マイボーム腺という涙液の油層を分泌して涙液の蒸発を抑制している、まぶたの淵にある外分泌腺が感染した時の麦粒腫を内麦粒腫といいます。
ではどんな細菌に感染することが多いかというと、ほとんどが黄色ブドウ球菌です。黄色ブドウ球菌と言えばどこにでもいる細菌ですが、目をこすったりすることで感染してしまいます。ですので、予防方法としてはとても簡単で、目をこすらない、手を洗うことです。特にアレルギー性結膜炎の方やアトピー性皮膚炎の方で目を触ったり、こすったりする時には気をつける必要があります。
次に霰粒腫です。霰粒腫は麦粒腫と違って、細菌感染を伴いません。脂肪の塊がマイボーム腺を詰まらせることで起こります。痛みや赤みがないことも多く、腫れやゴロゴロした異物感を感じることが主症状です。この異物感は、まぶたにできた腫瘤によるものですが、腫瘤が小さければ自然に吸収されるものの、大きくなってしまったものは手術で摘出することになります。予防方法としてはコンタクトレンズの手入れ、アイメイクのやりすぎに注意すること、アイメイクのあとはしっかり洗い流すこと、目の周りを清潔に保って、食事に気を付けることです。
ものもらいの時にプールはNG?
ものもらいの時に、プールに入るのは良くないのですが、その理由は以下のとおりです。
1、プールから上がってから顔を拭くから。
大人であれば顔を拭く加減もできるでしょうが、子供の場合は痛みを感じていなければ顔をゴシゴシ拭いて、さらにはまぶたがめくれ上がる瞬間もあるかもしれません。炎症を起こしている部分にもっと多くの雑菌を入れてしまい兼ねないため良くありません。
2、ものもらいではない可能性がある。
ものもらいは感染させるような病気ではありませんが、目が腫れている原因が万が一、はやり目(流行性結膜炎)だった場合には、ほかの人に感染させてしまう危険性があります。
3、疲れにより免疫が低下する。
プールに入ると、それだけで水の抵抗を感じて疲れます。その中で泳げば当然に全身が疲労しますので、一時的に免疫力が低下して自己治癒力も下がってしまう恐れがあります。
まとめ
あなたの、またご家族の大切な目ですから、日頃から適切な目のケアをして、異変を感じたらできるだけすぐに眼科を受診しましょう。