6月に入り梅雨の季節になると近所の公園や河川敷などではカタツムリがよく見られるようになります。
子供のころはよくその歩みのノロさに苛立ちながらも、どことなく漂う可愛さに飽きることなく、カタツムリの頭やツノを突っつきながらよく観察していたものです。
ペットブーム、猫ブームの中にあって、カタツムリを飼育することは少々マイナーかもしれませんが、犬猫やうさぎ、そして金魚よりも世話が簡単なカタツムリの飼い方や育て方を今回はまとめてみました。またお子さんの夏休みの自由研究のテーマにもいいかもしれませんね。
カタツムリを捕まえたら何を用意すればいい?
カタツムリを近所の公園などで捕まえたり、もらったり、珍しいものを購入したり、何れかの方法で手に入れたら、まずは飼育ケースを準備しましょう。
飼育ケースは通気性がよければどんな容器でも大丈夫なのですが、できれば
・ビン
・虫かご
・金魚鉢
・2Lのペットボトルを半分の高さで切ったもの
以上のような透明な容器であれば中が見やすくて、カタツムリの生態がより観察しやすくなります。
ですが、いくら最初のうちは飼育ケースが透明でも、すぐにカタツムリ特有のネバネバで視界が遮られてしまいます。飼育ケースを小まめに洗うか、ペットボトルなら新しいものを作って交換するなどをしましょう。
・お菓子の缶(緊急時のみ)
缶の蓋つきのものでも、缶の蓋は閉めません。ふんわりとガーゼをかけて輪ゴムで止めておきます。これは他に入れ物が見つからなかった時の緊急避難用です。次の日にでも錆びない入れ物をしっかりと準備しましょう。あと湿度を高く保つので、段ボールや厚紙でできた箱はやめましょうね。
そして、これらの入れ物の中に
・落ち葉
・小枝
を入れておきます。また落ち葉を入れると交換する手間が面倒になりますので、大変な方はなくても平気かなと思います。
あとは全体に日光をあてた消毒した土を入れるのもいいです。その場合は小さな陶器の入れ物に土を入れて、瓶やケースの中に入れておきます。これがカタツムリの産卵場所となります。
以上でカタツムリの飼育環境の準備が整いました。
すべてのものを入れたら最後にガーゼや網などを容器の上からかぶせてください。
そして、次にカタツムリのえさですが
・キュウリ
・人参
・菜っ葉
カタツムリは野菜なら大抵のものは食べます。
ほかには
・卵の殻
・コンクリート
・貝殻
こういったものからカルシウムを補給することで、カタツムリは殻の健康を保ちます。
湿度を保つ
砂漠に生きる品種も中にはいるようですが、日本で見られるカタツムリはとにかく湿度が好きなので、ケース全体が濡れるように霧吹きをしましょう。または、1~2cm程度水を張った水槽に枝やキャベツやレタスを敷き詰める方法もいいと思います。
ただ、この土のない環境での飼育方法ですと、産卵の後に孵化させるのが難しくなります。
そして土を敷き詰めている場合は、土がしっとりする程度に霧吹きをして、乾燥させないように気を付けます。
産卵させる
カタツムリは雌雄同体と言って雄と雌の区別がなく、どの個体も卵を産みます。お互いのラブダートと呼ばれるやり状のものを、お互いの身体に刺し、その次にオスの生殖器をお互いに生殖孔に入れて交換することで受精します。
その後、10日ほどすると土の中に産卵します。土がない時には他のところに卵を産みますが、孵化させるにはやはり土の中の方が成功しやすいです。
カタツムリの赤ちゃんはお母さん?お父さん?と同じ形で、生まれつき小さな殻を背負っています。カタツムリの赤ちゃんたちは真っ白で小さくて本当に美しいものです。
最後に
カタツムリの体には微生物がついていることも多くあり、病原体には人間が感染すると時に重篤な症状となる場合も考えられます。可愛いカタツムリでツノを引っ込めさせて遊ぶ子供もいますが、触ったあとは必ず石鹸などで手を洗うことを徹底させましょう。