生後百日目を迎えた赤ちゃんが、一生食べるのに困らないようにと願いを込めて行われるお食い初めですが、あなたはいつどこでこのお食い初めをやるのかをご存知でしょうか?
赤ちゃんの夜泣きの間隔は時期的にも開いてきたころですが、まだまだ慣れない育児に追われる中で、日々の赤ちゃんの世話に加えてお食い初めの準備となると、考えただけでもちょっと辛いと感じてしまうのではないでしょうか?
もしあなたのご自宅以外で、お食い初めをやる場所があれば、そちらにお願いするのも良いかもしれませんし、それにきっと細かい儀式の決まりや食べる順番などもそこで教えてくれると思います。
さて、今回は初めてお食い初めを経験される方に向けて、お食い初めをやる場所や服装などのマナーについてご紹介していきたいと思います。また、お食い初めをご自宅で行われる方も、その時の服装や御馳走の並べ方など是非参考にしてみてください。
お食い初めを行う場所について
まず、お食い初めをご自宅で行う方は、御馳走の準備などでかなり骨が折れることになるかと思います。また、クックパッドなどの料理レシピサイトには、お食い初めで使う料理の作り方がたくさん載っているので、そちらを参考にするのもいいかと思いますが、もっとお手軽にお食い初めをやる場合には、ケータリングという手があります。
それにホテルでは、お食い初めのプランに力を入れているところもありますし、また料亭でもお料理を準備してくれるところがありますので、ご家族の人数やあなたのお住まいなどに合った場所で行えるといいですね。ここでいくつかお食い初めが行える、ホテルや料亭をご紹介しますので参考にしてください。
【関西地方】
ウェスティンホテル大阪 会席料理「はなの」
大阪市北区大淀中1-1-20 TEL06-6440-1111
お食い初めプラン
・幸26,000円(大人1名追加につき9,000円)ランチタイムのみ
・夢31,000円(大人1名追加につき12,000円)
・宝36,000円(大人1名追加につき15,000円)
オリエンタルホテル広島
広島県広島市中区田中町6-10 TEL082-240-7111
お食い初め膳 一人4,900円
御祝い会席 一人5,000円
岐阜都ホテル かいらん亭
岐阜県岐阜市長良福光2695-2 TEL058-295-3100
お食い初め膳 3,600円
東京都内でお食い初めができるホテル等の一覧はこちらをご覧ください。
お食い初めの準備について
まず、ご自宅でお食い初めに使用する料理を準備される場合は、一汁三菜が基本となりますので、それは必ず押さえておきましょう。
そして、お食い初めで使う食器は一般的に漆塗りのお椀、お箸は柳の白木を使いますが、ご自宅で両親だけで行うような場合には、そこまで揃えなくても問題はありませんので、あなたのやり易いようにやってください。また、伝統的な食器を用意してしまうと、その場限りでもったいないと感じる方は、北陸の欅で作ったこちらの山中漆器の器を購入すると良いでしょう。山中漆器の器はお値段も手頃なうえに仰々しくないので普段使いにも利用できます。
伝統的な漆器についてですが、男の子は朱塗り、女の子は黒塗りで内側が朱塗りのものとなります。御膳は足の低いものが正式なものです。
お食い初めのお料理の例ですが、鯛の尾頭付き、梅干し、はまぐり、昆布に、歯がための石を添えましょう。大阪では、タコを石の代わりに使ったり、岩手県ではアワビを用いるところもあるようです。歯がための石の代わりは他に碁石、紅白餅、固い栗を使うなど地域や風習により細かな点で違いがあります。
そして赤ちゃんの服装は色付きの小袖を羽織らせて行うとされているのですが、汚したりぐずる心配があるので、写真だけ撮ったら早めに外してあげてください。赤ちゃんはできるだけ楽な服装で行う方が良いでしょう。また大人の服装はホテルや料亭で行うのであれば、パパはスーツ、ママは着物かスーツやワンピースなどのフォーマルが基本となります。なお、ご自宅でやる場合にはそれほど堅苦しい服装ではなくても良いでしょう。
御馳走の並べ方と食べる順番
お食い初めの起源は平安時代、京都の市比賣(いちひめ)神社で生後50日目、100日目を迎えた赤ちゃんに五十顆之餅(いかのもち)をいただき、重湯にそのお餅を入れて赤ちゃんの口につけて健やかな成長を祈ったお祝いの儀式で、この儀式を五十日百日の祝儀と呼びました。これが現在では歯がための石に箸をつけて、そのお箸を赤ちゃんの歯茎につけ、御馳走を決められた順に箸につけて赤ちゃんの口元へ運ぶという方法に変化していったようです。そして「お食い初め」として全国的に広まった以降は、内容も平均化されていますが、地域や風習によって細かな点で違いがあるので、是非あなたのお住まいの地域にふさわしい方法でとり行ってみてください。
関東地方での一般的な順番は、「赤飯→吸物→赤飯→鯛→赤飯→吸物→赤飯→煮物→赤飯→吸物→赤飯→酢物→赤飯→吸物→赤飯→歯固め石→赤飯→吸い物→赤飯」とされています。
京都では「赤飯→吸物→赤飯→鯛→赤飯→吸物→赤飯→煮物→赤飯→吸物→赤飯→酢の物→赤飯→吸物→赤飯→香の物」と細かな点で違いがあります。
並べ方は、手前左手から飯椀、中央に高杯、右手手前に汁椀、左奥に平椀、右奥につぼ椀と並べるようにしましょう。